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読書感想:つきのふね/森 絵都
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     紀伊国屋の「ほんのまくらフェア」で買いました。

    このフェアは、その本の書き出しの文章を文庫のカバー一面に書き出し、本の題名も著者もわからない状態でパックされた文庫を、お客さんが選ぶ、というものです。

    最初そのコーナーを見たとき「何だろう?」と興味を引きました。
    で、私が手に取ったのはこの2冊。

    「この世界がきみのために存在すると思ってはいけない」

    「このごろあたしは人間ってものにくたびれてしまって、人間をやっているのにも人間づきあいにも疲れてしまって、なんだかしみじみ植物がうらやましい。」

    後者を先に読みました。パックを開けたら、タイトルは「つきのふね」。著者は「森 絵都」。

    知らない作家さんでした。

    このフェア、とても面白いです。きっとこの2冊とも、タイトルでも著者でも帯の説明でも、きっと買わなかったと思います。でも、本文に惹かれて読んでみたら、惹かれただけあって自分には合っている内容だったと思います。

    普段自分からは進んで読まないものを読むことって、とても大事な事だと思うのです。視野を広げるためにも、新たな発見をするためにも。このフェア、そのきっかけになります。

    で、この「つきのふね」。

    「植物がうらやましい」にどきっとしました。

    「生まれ変わるなら何になりたい?」と聞くと、たいていのひとは「人間」と言うと思うのですが、私は植物になりたいと子供のころからずっと思っています。これは、今でも思ってます。

    同じ気持ちを持つ人には、今まで生きてきて、一人しか会った事がありません。
    彼女とは、そういう部分では唯一分かり合える仲間です。

    こう思う事が良い事だとは思わないのですが、他の生き物を殺さずに生きることが出来る植物になりたいのです。もし、生命として生まれ変わらなければいけないのなら。

    矛盾だらけの人間でいることは、私は辛いのです。

    なので、「植物がうらやましい」は、私の願望とは少しニュアンスが違いますが、「あ、もしかして同じ世界の人の話かも」と思って読みました。

    なんと、この言葉は主人公である女子中学生の言葉とわかり、ちょっとがっくりしましたが、荒削りな感じがするながらも、純粋な綺麗なお話でした。最後はほのぼの感動して涙。

    この小説の中に出てくる

    「人より壊れやすい心に生まれついた人間は、それでも生きていくだけの強さも同時に生まれ持っているものなんだよ」

    という言葉は、多くの人が自分の為の言葉だと思うのではないかな、と思います。皆、自分は傷つきやすいと思っていて、それでも立ち直る強さを持っていると思っていると思うので。そして、自分が傷つきやすいと思っている人ほど、自分が人を傷つけていることに気づいていない事が多かったりします。

    その繰り返しなんですよね。良い事も悪い事も。巡り巡る。

    この小説の中にもありますが、心の病は決して珍しい事では無くて、小さくても尊いものが、病から心を救うものだ、という事には、シンプルですが共感しました。

    皆どこか狂っていて、でも、ほんの小さな尊いものに支えられて、かろうじて日常生活を送っているようなものなんだろうと。

    ちなみに、私が書いた小説の書き出しは

    目の前には、碧く透き通る水にゆったりと揺蕩う海月の姿があった。

    でした。
    | Book | 23:19 | comments(0) | - | pookmark |
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