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読書感想:クリストファー男娼窟/草間彌生
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    インフルエンザで寝込んで5日目。やっと平熱に戻りました。インフル感染前に読み始めていた草間彌生の書いた小説「クリストファー男娼窟」「離人カーテンの囚人」「死臭アカシア」を読み終えました。

    病中に読むのはきつい作品でしたけど。逆に平常心で読むのもきつかったかも。

    何故これを読んだかと言うと、朝日新聞の別紙の草間彌生の特集記事にこの小説の題名が載っていて気になったからと、読めそうな気分だったから。

    草間彌生の小説は前から読んでみたいと思っていて「心中桜ケ塚」という単行本を六本木のツタヤで買ったのがかれこれ5〜6年前。

    1ページ読んでは止まり、2ページ読んでは休み、で、なかなか読み進めるのにパワーがいる作品でしたので、5年たってもいまだに読破出来ていません。

    草間彌生の小説は読むのにパワーが必要で、かつ、読んだ後にどんな影響を受けるのか怖いという気持ちがありました。パンドラの箱の様な。読んだ後に狂ってしまったらどうしよう、とか。それだけの影響力がありそうで。

    ですが、この「クリストファー男娼窟」は野生時代新人賞を受賞しているとのことで、多くの人が読んだのだろうという安心感を持てたので、読んでみようという気になったのです。

    「毒見が済んでいる」という意味で…。

    3作を読んで、草間ヤヨイの作品を文字にするとこうなるのか。という感想です。

    この小説は、3作品とも、草間ヤヨイ以外の人には絶対に描けない、と強く感じました。
    真似のしようもありません。

    草間ヤヨイのアート作品は若い女性にも人気がありますが、彼女の小説まで含めて好きになれる人はもしかしたら少ないのではないかと思います。受け入れる事が出来る人は少ないのでは。でも、これは文学と言うよりもアートだと感じます。「作品」という印象が強いです。

    ここまでこの世の醜い汚いモノと、美しい花や草木やそれらの自然の色や香りや質感とを、あわせて一緒に表現出来る人は居ないと思いますし、草間ヤヨイには、世の中はこう見えているのかもしれない、と思えました。

    というか、醜い汚いと一般的に思われるものも、自然に存在する美しいものと同じものだという事なのかも。勝手に区別しているだけなのかもしれないと今ふと思いました。

    読後感は、女性的なイメージが残ります。私には。
    前に見た壮絶美人日本画家の松井冬子の作品を見た後の感覚と少し似ています。

    テーマは違っても、全体的には女性的な印象の強い小説だと感じましたし、全てを理解は出来ませんが、痛々しい程の魂の訴えを感じました。

    だまら、読む方にもパワーが必要です。やっぱり。

    感想文と言うか、読後イメージ、になってしまいました。

    彼女の他の小説も少し間をあけて読んでみたいと思いました。立て続けに読むのは、疲れてしまうので無理そうですけど。

    私は草間彌生のアート作品は、興味はあるけど大好きという訳では無いのですが、草間彌生そのものには異様に興味があります。


    草間彌生の事が気になり始めたのは、六本木ヒルズで開催されていたクサマトリックスの頃だったと思います。2004年だったようです。展示会を見てはいないのですが、終了直後にミュージアムショップで見た図録にシャンデリアをアップで撮った写真があったのですが、私もちょうど同じ頃に、仕事で泊まったホテルのシャンデリアをアップで撮っていて、それが全く同じ構図だったので、彼女の事が気になり始めた。というきっかけでした。

    見た目も奇怪。作品も不思議。岡本太郎の様な目つきと幼女の様なあどけなさを持ちながらも、精神病院に住まい、ヨーロッパで個展を開き作品は何千万円や何億円のレベルで飛ぶように売れる、今でも大活躍の前衛芸術家の先駆け的存在。

    本格的にこの人の存在自体に強い興味を持ったのは、去年放映していたNHKの草間彌生特集を見てからでした。

    「どうしよう。死にたくなっちゃった。」と偉大な芸術家本人が不安げに訴える姿を、NHKのドキュメンタリーで放送している事に驚きました。

    確かパリかロンドンで、彼女の個展を開いた時の映像でした。
    お披露目パーティーの直前に、ホテルの部屋で草間彌生は突然スタッフ達に「どうしよう。死にたくなっちゃった。」と言って気が動転したそぶりを見せ、スタッフになだめられて寝入るのです。

    自らの個展の大成功を自分の目で確かめた直後に突然死にたくなる願望が押し寄せた様で、まるで発作の様でした。

    彼女は「絵をかく事で生きる意味を見つけた」「絵が無かったら私は自殺していた」「だから死ぬまで書くの」と語っていました。

    活き活きとした、とりつかれた様な目で作品の制作に取り掛かる草間ヤヨイの姿を映像で見て、心底羨ましいと思いました。頭でなくて心で、生きる意味を見つけられる人なんて、世の中にどれだけいるでしょう。

    人よりも苦しんでいる分、得る幸福感は大きいのだろうと思います。

    私自身も生きるために必死で何かを探しているので、それを見つけた草間ヤヨイがそれこそ全身全霊で作品制作に向かう姿は、とても崇高に見えます。

    私も彼女のように、生きる目的を見つけられたら、「これをする為に生きてきたんだ」と今までの経験や思いが全て繋がる瞬間がきたら、それに残りの全人生をかけるだろうと思います。

    けど、凡人の私には見つからないのかもしれないです。それはそれで自分の人生なんだろうな、とも思います。
    | Book | 00:02 | comments(0) | - | pookmark |
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